困らないための一般常識|香典の渡し方・ルールと金額の目安は?
1.葬儀について
2.香典について
3.絶対守りたい!香典を渡す時の5つのルール
4.金額について
5.まとめ
社会人になると、冠婚葬祭の場に出席する機会が増えてきます。
直接の知り合いでなくても、会社の仕事関係の知人の家族に不幸があると葬儀に参列することもあります。
葬儀の時に気になるのが、どの様に振る舞えば良いのかという点ですが、これは人の真似をすれば何とかなるものです。
しかしどうにもならないのが「香典」です。
葬儀場へ行くまで、誰がどの様な形で幾らを包んだのかは分からないので、どうしても不安になるものです。
絶対に必要な常識として「香典の渡し方・ルールと金額の目安」を詳しく知っておきましょう。
1.葬儀について
葬儀(お葬式)は、一般的な仏教では「お通夜」と「告別式」の2回で1つの儀式になります。
お通夜は夕方から始まり、夜通しで行われることもあります。
告別式は、火葬場の時間に合わせて昼前後から行われることが多くなります。
社会人の場合、仕事の都合があるので故人、または喪主と余程親しい間柄でもない限り、夕方からのお通夜に参加する人が多いと言えます。
2.香典について
香典は仏教の考え方から来ていて、故人の冥福を祈って仏壇にお香を供えるので、その足しとしてお金を出す意味があります。
また、葬儀というのはバタバタとしていて、親族にとってはとても忙しいものです。
遺品整理や遺産分与などのプライベートな問題も山積みになっていると、家族を失った悲しみに暮れている暇もない程です。
葬儀の為に忙しく動き回る親族に対して「お手伝いできずに申し訳ありませんので、その分お金を出します」という意味もあります。
さらに、葬儀をするとかなりの出費となります。
最近では費用を抑えた「家族葬」や「密葬」、「直葬」などのいわゆる地味葬も取り入れられています。
しかし多くの場合、故人を忍んでオーソドックスな葬儀を行い、戒名やお車代などを含めると平均で約200万円程かけているのです。
この様に葬儀にはお金がかかることから「遺族の為に」とお香典を出す意味も含まれているのです。
3.絶対守りたい!香典を渡す時の5つのルール
香典は、形式や渡すタイミングに常識としてのルールが存在します。
受付でただお金を出せば良いのではなく、きちんとした形式の香典袋を出すことが大切です。
香典を渡す時の一般常識として、香典を渡す時の5つのルールを覚えておきましょう。
▼【①・封筒の選び方について】
香典が必要となった時に、すぐに準備しなければならないのが「香典袋」です。
香典袋は、文房具店やスーパー、百円ショップやコンビニなどに売っていますので、用意できないということはまずありません。
しかしいざ売り場に行くと、香典袋といっても実に様々な文字が書いてあり、迷ってしまう人が多いのです。
実は香典袋のタイトル文字の違いは、それぞれ宗教ごとに決められているのです。
それぞれの分類は以下の通りです。
・仏教: 御霊前・御仏前・御香典
・キリスト教: 御霊前・御花料・弔慰料
・神道: 御霊前・御玉串料・御榊料
・その他:御霊前
上記を見ると、どの宗教でも使える言葉として「御霊前」があることが分かります。
故人の宗派が分かっていれば専用の言葉が書かれている香典袋を用意するのが一番ですが、もし分らなければ「御霊前」を選べば間違いありません。
相手方の宗教にどうしても合わせたい場合には、遺族に問い合わせるのも迷惑ですので、葬儀会場に電話して問い合わせると良いでしょう。
「香典袋の表書きを何にしたら良いのか分からない」と言えば良く、親切なスタッフならばその場で教えて貰えます。
▼【②・自分の名前の書き方について】
香典袋の下部には、自分の名前を記載します。
何となく100円ショップの筆ペンで書いてしまう人が多いのですが、一般常識では「薄墨で書くこと」になります。
「急いで駆け付けたので墨を擦っている余裕がない」「悲しみで涙が硯に落ちてしまった」という気持ちを表します。
香典袋の裏側や内袋に住所を記載する枠がある時には、住所・氏名と金額を記載します。
内袋に枠が無い場合、何も記載しない人が多いのですが、受付でお金を出してしまうと後から金額の照合ができずに、台帳作りに手間がかかります。
香典返しを選択式のギフトにして、後日リストを郵送してくる場合もあるので、内袋にも住・氏名を記載しておくと親切です。
▼【③・連名の場合は書き方に注意】
会社の繋がりで香典を出す場合、部署の人達と連名で出すということもあります。
その時にも名前の書き方のルールがあります。
・名前を書く人数が3名までの場合
右から左へ、肩書が上の人から名前を記載します。特に上下関係が無ければ50音順で構いません。内袋には全員の住所・氏名を記載します。
・名前を書く人数が4名以上の場合
表には団体名、もしくは代表者の氏名を書き、その左に「外一同」と書いておきます。内袋、もしくは別紙に全員の名前を書きます。
▼【④・絶対に守りたいお金の入れ方。3つの注意点】
お金の入れ方にも以下の様なルールがあります。
1・新札は使わない
これは最も知られていることで、「準備して待ってました」という意味になります。どうしてもピン札しかなければ、一度手で折り目をつけておきます。
2・お札の向き揃える
お札が複数になる場合、きちんと向きを揃えましょう。
3・袱紗(ふくさ)に入れる
香典を直接カバンや内ポケットから出すのは失礼にあたる行為です。受付で手間がかかるからは通用しません。香典袋と共に袱紗も用意して、きちんと包んで渡しましょう。
どうしても用意できない場合には、無地で暗い色のハンカチで代用します。袱紗は結婚式でも使えるものがありますので、社会人ならば準備しておくのがおすすめです。
▼【⑤・内袋がついてない場合はどうする?】
香典袋を購入したものの、内袋がついていないこともあります。
「別々で買わないといけないの?」と思うでしょうが、最近ではこの様な香典袋が増えています。内袋と外袋を使用することで「不幸が重なる」として、使わないこともあるのです。
内袋がついていない場合には、ティッシュかコピー紙で代用します。名前と金額を書くことを考えるとコピー紙の方が無難です。
4.金額について
最も気になるのが、香典の金額ですね。
香典の金額は、自分の年齢と故人との関係により変わってきます。30代の人を基本すると、平均金額は以下の通りになります。
▼【自分の家族、親族が亡くなった場合】
祖父母: 10000~30000円
父母: 50000~100000円
義親: 50000~100000円
兄弟姉妹: 50000円
叔父叔母: 10000~20000円
その他親族: 3000~20000円
▼【会社関係の場合】
上司: 5000~10000円
上司の家族: 3000~10000円
同僚・部下: 5000~10000円
同僚部下の家族: 3000~10000円
▼【友人・知人の場合】
友人知人: 5000~10000円
友人知人の親: 3000~10000円
▼【その他に該当する場合】
上限10000円
自分の両親の葬儀に香典が必要なのか、と思う人もいるでしょうが、自分が既に家を出ていて、喪主が母親や兄弟の場合には、それなりの香典が必要になります。
ただし、「出さないでいいよ」と言われることもあるので、その辺は家族関係が優先になります。
また、香典も御祝儀も偶数の金額は「割り切れる」として縁起が悪いとされています。偶数金額を包む場合には、金種を調整してお札を奇数枚にするのが常識です。
5.まとめ
香典の金額については、葬儀に参加する人達と連絡を取り、幾ら包むのか決めた方がスッキリします。
一人だけ大金を包んだり、少なすぎたりして恥をかかずに済むでしょう。
しかし最も大切なことは、故人を偲ぶ気持ちを表すということです。
多少マナー違反があっても、遺族同様悲しみの気持ちを表すことでカバーできるものです。
お金ではなくしっかりと手を合わせて拝み、遺族に共感する気持ちを忘れない様にしましょう。