日本学生支援機構の奨学金|保証人と保証制度の知識を詳しく解説します!
1.日本学生支援機構の奨学金とは?
2.保証制度について
3.人的保証制度とは?
4.機関保証制度とは?
5.連帯保証人や保証人の変更方法
6.まとめ
大学で勉強したいけれども経済的に余裕がなく、バイトをしても足りない・・そんな時に役に立つのが「日本学生支援機構」の奨学金制度です。
奨学金は返済しなければならないものですので、申請する際には保証人が必要になります。
1.日本学生支援機構の奨学金とは?
「日本学生支援機構」とは、国が運営する機関であり、大学や大学院等で学ぶ学生を支援する奨学金制度を取り扱っています。
学生に奨学金を貸し与え、卒業後に返済して貰うというシステムで、返済された資金をまた学生に貸し出しています。
奨学金の申し込みができるのは在学中の学生のみで、学校を通して申し込むことになります。「日本学生支援機構」の奨学金には、基本的に以下の3種類があります。
・第一種奨学金
第一種奨学金は、無利息です。特に優秀な成績の学生対象で、学力が高いにも関わらず経済的な理由で進学できない生徒が選ばれます。
無利息なので借りた分だけ返済すれば良いので便利ですが、何しろ優秀な学生に限るとあり、誰でも利用できる訳ではありません。
・第二種奨学金
第二種奨学金は、利息がつきます。学生が対象となりなすが、第一種に比べて選考基準が緩いのが特徴です。
在学中は無利息えすが、卒業してからは年3%の利息が発生します。ただし、他の金融機関から融資を受けるよりは断然低い利率になります。
・入学時特別増額貸与奨学金
入学時特別増額貸与奨学金は、利息がつきます。上記2つの奨学金と併用できるシステムで、入学一時金としてまとまった金額が貸与されます。
2.保証制度について
上記の様に奨学金には無利息・有利息があるものの、返済する必要があるいわゆる「借金」に変わりはありません。
その為に、奨学金を受ける時には保証制度が必要になるのです。奨学金を申請する時には、以下の2つの保証制度があります。
・連帯保証人・保証人を探す
・機関保障に加入する
この2つは自分で選択ができるのですが、どの様なものなのでしょうか。
3.人的保証制度とは?
人的保証制度は、文字通り人にお願いして「連帯保証人・保証人」になって貰うという方法です。それぞれの条件は以下の通りです。
連帯保証人:原則として父母またはそれに代わる者
保証人:4親等以内の親族で連帯保証人とは別生計の者
手数料がかからず、身近にふさわしい人がいる場合には手軽な方法です。ただし、どちらも「所得証明書・印鑑証明書」の提出が必要ですので、お願いするハードルが高くなります。
将来的に本人が奨学金を返済できない場合に、連帯保証人や保証人に返済義務が発生しますので、余程親しい仲でないと頼みにくいという点もあります。
また、保証人に関しては65歳未満であることが条件です。そして以下の人は「連帯保証人・保証人」にはなれません。
1・無職の人、収入が安定していない人
連帯保証人や保証人は、仕事をしている人、または安定した収入がある人となります。リタイヤして無職の人は収入がないので難しくなります。
一方、無職でも資産家で毎月収入がある場合には、保証人になることが可能です。奨学金は万が一が本人が返済できなくなった時に、肩代わりできる人でなければならないのです。
2・年金生活者である
保証人に関しては65歳未満という年齢制限があります。年金を受給しているということは65歳以上であるということですので、保証人として認められません。
3・金融事故の履歴がある
奨学金は借金の一種ですから、連帯保証人や保証人に債務整理や自己破産などの金融事故の履歴がある場合、認められません。
4・兄弟姉妹の場合
兄弟姉妹でも、成人しているならば連帯保証人になれます。基本的に連帯保証人は親権者か未成年後見人となっているので、未成年の場合には認められません。
上記の様に、親や親戚、兄弟がいれば誰でも連帯保証人や保証人になれる訳ではないのです。
5・人的保証制度の申し込み方法
人的保証制度で奨学金を申込む場合、窓口は学校になります。連帯保証人は「印鑑証明書・収入証明書」、保証人は「印鑑証明書」が必要になります。
必要書類にそれぞれ直筆で記入をお願いして、印鑑証明書と同じ印鑑で押印をして貰います。
4.機関保証制度とは?
しかし学生の中には親や親族がいない、或いはいたとしても連帯保証人や保証人の条件を満たしていないという人もいるでしょう。
事情があるから経済的に困難であるということもあります。その様な学生には「機関保証制度」というシステムがあります。
これは、日本国際教育支援協会が保証機関となり、連帯保証をしてくれるものです。
連帯保証人や保証人を探す必要がなく、万が一返済ができなくなっても、保証機関がカバーしてくれます。ただし、機関保証制度を利用した場合には、保証料が発生します。
保証料は借りる月数と年数で変わりますが、大体以下のとおりです。
・第一種:1300円~3100円程度
・第二種:1800円~6900円程度
毎月奨学金から引かれるとなると、総額的にかなり大きな金額になります。
・機関保証制度の申込み方法
奨学金も機関保障制度も、申込み窓口は学校となります。未成年者の場合、親権者もしくは未成年後継人の自署と押印が必要になります。奨学生制度に認定されると、必要書類を提出します。
5.人的保証制度での連帯保証人や保証人の変更方法
人的保証制度で奨学金を受けている場合、連帯保証人や保証人に変更があった場合には、手続きが必要になります。
「奨学金返還相談センター」に連絡をすると、必要事項を教えて貰えます。
・連帯保証人の変更
連帯保証人が死亡するなど役割を果たせなくなった場合、新しく連帯保証人を立てることになります。連帯保証人を変更する場合には、郵送で「連帯保証人変更届」を提出します。
新しく連帯保証人になる人は、所定の条件を満たす人でなければなりません。もしも見つからない場合には機関保証制度への変更手続きを行います。
・保証人の変更について
保証人も変更手続きが可能です。こちらも条件を満たす人であることが必須で、見つからない場合には機関保証へ変更手続きをします。
・人的保証から機関保証へ切り替える条件
人的保証から機関保証へ切り替える場合には、返済が滞っていないことが重要です。延滞している人は変更はできません。また、返済中の本人が債務整理をしている場合にも変更はできません。
郵送で必要な書類を提出すると審査が行われ、通過すると保証機関の「公益財団法人日本国際教育支援協会」から保証料の請求書が郵送されてきます。
▼【住所や勤務先などの変更方法】
本人・連帯保証人・保証人のいずれかの住所や電話番号、勤務先などの変更があった場合、変更手続きが必要です。
手続きの方法は以下の通りです。
・インターネット
公式サイトの「スカラネット・パーソナル」にアクセスします。事前に登録手続きが必要になります。
・郵送・FAX
郵送の場合、まず変更届を取り寄せるか、公式サイトから用紙をダウンロードします。必要事項を記入して郵送します。
・電話
6.まとめ
日本学生支援機構の奨学金制度は、金利も安く保証人も機関が行ってくれるので、学生にとってはとても有難いシステムです。
しかしあくまで融資であり、卒業後に必ず返済することが原則です。
返済をしないと連帯保証人・保証人や保証機関に迷惑をかけるだけではなく、現在奨学金を希望している学生への資金が不足してしまうことになります。
自分が受けた恩はしっかりと返すことが大切なのです。