シンジケートローンの詳しい仕組みは?〜メリットとデメリットを学習しよう!〜
1.主に大手都市銀行で取り扱っています!
2.投資家が集まらないことには利用できません!
3.シンジケートローンを利用するメリットとは?
4.逆にデメリット面は?
5.まとめ
銀行では様々なローンを取り扱っていますが、その中に「シンジケートローン」というローン制度があります。
「シンジケートローン」とは、一体どのような内容のローンなのでしょうか?
1.主に大手都市銀行で取り扱っています!
「シンジケートローン」を利用すると、案件ごとに特別なシンジケートを組まれて、その内から融資を受けられるという仕組みのことです。
ちょっと難しいですよね。
「シンジケート」とは一種のカルテル(連合)のことで、要は投資家集団が集まってそのカルテルを作り、融資を行ってくれるということなのです。
その投資家たちも、当然安全性やそれなりの利益が確保できないことにはこのシンジケートに参加して投資はしてくれないので、扱えるのは主に大手都市銀行だけになります。
いざとなった時には、銀行側が一定までは保証するという投資家たちとの契約になるので、その為の体力のある銀行でないと提供できないということです。
◉「シンジケートローン」の具体的な仕組みは?◉
シンジケートローンを具体的に説明すると、銀行にローンを申し込んだ時に、銀行側はその為のシンジケートの募集を開始します。
直接銀行から融資を受ける訳ではなく、銀行の募集に対して集まったシンジケートから借りることになり、銀行は借りる側とシンジケート側を仲介することになります。
◉何故?「シンジケートローン」にして、銀行が直接貸さないの?◉
最近の日銀のマイナス金利政策から、各銀行も以前より貸し渋ることは無くなりましたが、それでも巨額の融資では相変わらず慎重な姿勢を貫いています。それだけの額が焦げ付いてしまった日には、大変な損失を被ってしまうからです。
もちろんその為に融資の前には慎重に審査を行っていますが、ある程度以上の金額(銀行に依ります)になると、自分たちのリスクを極力抑える為に、「シンジケートローン」を提案してくるのです。
つまり、自分からすすんで「シンジケートローン」を利用したいと申し出ることはあまりなく、多くの場合は銀行側からこのローンを使わないか?と言われてから利用することになります。
2.投資家が集まらないことには利用できません!
専用のシンジケートが組まれないことにはこのローンは利用できません。
「シンジケートローン」利用までの流れを簡単に説明すると、銀行に対して巨額の借り入れを申請した時に、その銀行が自分たちだけで受けるのはリスク高いと判断すると、このシンジケートローンを提案してきます。
「シンジケートローン」になっても、借りる側の(返す先も)窓口はその銀行なので、借りるお金自体がどこから出ているかは特に問題になりません。そこで、シンジケートローンでも構わないと了承すると、銀行側はその為のシンジケートを投資家たちに対して募集します。
◉提案されても利用できないことも…◉
銀行から打診を受けた投資家たちは、募集金額や担保、利用目的、返済プランなどの各条件に納得ができなければシンジケートには参加しません。よって、このローンが利用できるかどうかの一番のポイントは、シンジケートに参加してくれる人が集まってくれるかどうかです。
参加した投資家には、もちろん金利が支払われます。あくまで一例ですが、1億円を銀行に預けておくと、年利0.5%の金利が得られるとします。それより高い金利で投資する(=シンジケートに参加する)ことができるなら、シンジケートに参加しようと考える人も居るということです。
◉投資家たちにもリスクがあります!◉
シンジケートに参加する投資家たちにもそれなりにリスクは付きまといます。まず、原則的に元本保証はされないので、いくら預金より高い金利を得られるとしても、元金を切ってしまうこと場合もあることを覚悟しないといけません。
投資家たちへの還元は借りた本人の返済からなので、それが滞ってしまうと利益どころではなくなるからです。
これに対しては銀行がある程度までは保証を付けることがほとんどですが、慎重な投資家になるとおいそれと参加はしないでしょう。
シンジケートローンはこのように、そのケースごとに千差万別の対応になりますが、基本的にはシンジケートに参加してくれる投資家をいかに集められるかどうかです。
これには融資を申込む人だけでなく、銀行側の影響がかなり大きいと言っていいでしょう。銀行がいかにうまく投資家たちを納得させるかということになるので、これも主に大手都市銀行でしか取り扱えない理由です。
3.「シンジケートローン」を利用するメリットとは?
「シンジケートローン」を利用する最大のメリットは、銀行が受けてくれなかった融資が利用できるところです。
例えば、この担保と事業計画書の内容では5千万円までが限界だと銀行側が判断しても、シンジケートローンが利用できれば1億円などでも借りられるかも知れません。
また、シンジケートローンを銀行側が提案してきたということは、(金融機関などが)普通には今の条件ではその金額までは貸せないということです。それでも借りられる可能性があるのがシンジケートローンだということです。
◉銀行だけを考えていて構いません!◉
シンジケートローンを利用する場合でも、一切の窓口は契約する銀行になります。、実際のお金の投資元である投資家たちのことは一切気にする必要はありませんし、直接コンタクトを取ることもありません。
見掛け上はあたかも銀行から融資を受けているという形になので、シンジケートローンを利用してもその為に面倒になることはないと考えていいでしょう。
4.逆にデメリット面は?
シンジケートローンのデメリットとして、金利やそれに付随する手数料が通常のローン契約より高くなることが挙げられます。
一例として、1億円を借りて、年利2%の金利を支払うことになったとします。この金利自体が直接投資家たちの利益となる仕組みで、間に入っている銀行は借りる側にそれとは別に「アレンジャーチャージ」を要求します。
「アレンジャー」とはそのまま募集人や仲介者という意味で、要はシンジケートを募集してこの融資を成立させ、間に入ってあげている手数料です。実際の数字はもちろん各々のケースで変わってきますが、これを年利0.5~1%程度は要求されると考えてください。
◉アレンジャーチャージが高い理由は…◉
上記の例でも、金利自体の年利2%に対し、その半分にもなる1%を更に上乗せされることになります。
アレンジャーチャージが高過ぎないかと思われるかも知れませんが、銀行側も自分たちの利益分はもちろん、シンジケートに参加している投資家たちへの保証もあるので、どうしてもそれくらいは上乗せしてきます。
これに納得がいかなければ、当然シンジケートローンは成立しません。つまり、通常に考えた平均よりどうしても高くなる金利(とアレンジャーチャージ)に納得がいくかどうかということです。
◉すぐには借りられないので注意してください!◉
ここまでに挙げてきたように、シンジケートローンはそれを利用すると決めてから専用のシンジケートの募集を開始します。
シンジケートローンを利用するということは、銀行が直接融資を引き受けるのを躊躇するほどの高額融資になるので、簡単にはシンジケートが組まれないことも多く、場合によっては投資家たちが集まらずに成立しないことも少なくありません。
よって、すぐにお金が必要な場合には全く向いていません。申込みから融資までに最低でも2ヶ月は掛かると考えておかないといけないでしょう。(※ケースにも依りますが、平均としての場合です。)
5.まとめ
シンジケートローンの中身とメリットとデメリットをご紹介しました!
シンジケートローンは通常のローンより金利などの支払いが高くなり、すぐには借りられないというのがデメリットですが、何より銀行からは借りられない金額まで融資を受けることができるのが最大のメリットです。