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シンジケートローンの特徴は?メリット・デメリットをチェック!




シンジケートローンの特徴は?メリット・デメリットをチェック!

1.シンジケートローンとは?
2.シンジケートローン契約の手続き
3.シンジケートローンの種類について
4.シンジケートローンのメリット
5.シンジケートローンのデメリット
6.まとめ

普通に生活をしている中では「シンジケートローン」という言葉は出てきません。

しかし企業のトップや個人事業主にとっては耳にする言葉です。

まるで海外のマフィアの様な名前の「シンジケートローン」とはどの様なものなのでしょうか?

「シンジケートローン」の特徴とメリット・デメリットをチェックしておきましょう!




1.「シンジケートローン」とは?

「シンジケートローン」は、「協調融資」と和訳されていて、企業向けのローンの一種です。

事業を運営するにあたり、特に大口のローンを利用したいと思っても、銀行側はそう簡単に融資してくれません。その様な時に、複数の銀行が共同で企業や事業主に融資を行うという特別ローンのことです。

いくつかの銀行が集まった状態を「シンジケート団」と呼び、大口のローン申し込みに対して共同出資で融資をします。

シンジケート団の中には、とりまとめ役となる金融機関があります。この中心となる金融機関は「アレンジャー」と呼ばれます。アレンジャーの役割としては、利率や融資をする期間を決めて、融資金額を各銀行ごとに割り振るというものもあります。

また、実際に融資の関する事務方を請け負う金融機関を「エージェント」と呼びますが、基本的に「アレンジャー」と「エージェント」には同一銀行が立つことが多くなります。

「シンジケートローン」の特徴は?

シンジケートローンの最も大きな特徴は、一般的な企業に対する融資の様に、企業に対して各金融機関が個別に融資の条件を設定するのではなく、複数の金融機関が一つの企業に対して「同じ条件」「同じ時期」に、「同じ契約書」により融資を行うという点になります。

融資の条件はシンジケート団を構成する金融機関が話し合って決めるのですが、企業側が実際に連絡を取り合うのはアレンジャーである金融機関です。

複数の金融機関とやり取りをする手間が省けて、しかも合算すると普通以上の大口融資を受けられます。

例えば、一般の企業が1億円融資して欲しいと思っても、銀行側は貸し倒れのリスクが高くなるので、中々融資をして貰えません。しかし、5つの金融機関が集まってシンジケート団を構成すれば、1社につき2000万円ずつ出資すれば1億円クリアできることになるのです。

シンジケートローンは多くの金融機関で取り扱っていて、みずほ銀行や三菱UFJ銀行などメガバンクも導入しています。それだけ安心して融資が受けられる状態になっているのです。

企業側にとっての影響とは?

事業を立ち上げる時には、当面の運転資金を確保する必要があります。

シンジケートローンを利用すれば、設備投資など大幅な事業改革を行っても、長期的にわたり資金を確保できます。1年、2年先までビジネスプランを組み立てることができるので、会社の経営も安定するのです。

シンジケートローンは大口融資ですので、もちろん厳しい審査基準が設定されています。融資を申し込んで審査に通れば、企業にとってはそれだけステイタスにも繋がります。

その後再度融資が必要になった時に、シンジケートローンの審査に通過したという履歴があれば、個別に銀行から融資を受け易くなるのです。

ただし、企業側にとってはシンジケートローンを受けると手数料が発生します。

「アレンジャー」である金融機関は他のシンジケート団との窓口になってくれますが、その分報酬が発生します。この報酬がいくらになるのかも、考えておく必要があるのです。




2.シンジケートローン契約の手続き

シンジケートローンを利用したいと思ったら、まずは企業側からアクションを起こす必要があります。

「アレンジャー」を探して「マンデート」をする!

融資を受けるにあたり、まずは取りまとめ役となる「アレンジャー」としての金融機関を探さなければなりません。

引き受けてくれる銀行が見つかり「シンジケートローン」を依頼することを「マンデート」と呼びます。

「アレンジャー」を依頼された銀行は、契約条件が適切かどうかを検討して、シンジケート団を構成する金融機関を募集します。他に賛同してくれる銀行が見つかれば、契約書を取り付けます。

「アレンジャー」への手数料について

融資を受ける企業と、「アレンジャー」の銀行との間で契約を結ぶ時には、「アレンジャー」への手数料が発生します。この契約が成立すると、「アレンジャー」と「エージェント」が決まります。

1つの金融機関が「アレンジャー兼エージェント」となる場合には、全ての連絡や事務方の窓口が1つの銀行で執り行われます。それだけ繁雑な作業が発生する為に手数料が発生するのです。

融資の流れについて

シンジケートローンで融資を受ける時には「エージェント」となっている銀行からお金が振り込まれます。そして企業が返済をする時には、元利金は「エージェント」に入金をして、「エージェント」からシンジケート団の各企業に振りこみ返済を行います。

「アレンジャー・エージェント」は、シンジケートローンを行う時には最も重要な役割をする金融機関なのです。

「アレンジャー」選びが大切です!

企業がシンジケートローンを受ける為には、「アレンジャー」の能力が重要になります。「アレンジャー」が実績があり信頼性の高い金融機関でないと、シンジケート団を募集しても集まりません。苦労をしてもムダに終わってしまうことがあるのです。

通常「アレンジャー」がそのまま「エージェント」を兼任するので、企業にとってはまず「アレンジャー」選びがカギになります。なるべく国内で強い、都市銀行やメガバンクを選ぶことが大切です。




3.シンジケートローンの種類について

シンジケートローンには、大きく分けて以下の3種類があります。

◉1・「コミットメントライン」

多くが短期融資で、事前に融資枠と融資期間を設定しておき、融資を受ける会社が請求するとその都度お金が振り込まれます。「コミットメントライン」では、将来的な資金運用や設備投資の為にストックするのではなく、現在直接必要な運転資金や万が一の時の資金として運用します。

◉2・「タームローン」

「タームローン」はローンを契約した時に一括で融資金を受け取れます。長期的な運転資金や、設備投資に必要な財源として利用できます。

◉3・「コミット型タームローン」

タームローンでありながら、コミットメントラインの様に分割で借入れが可能なタイプです。明確な使用時期が決まっていなくても、まとまった資金を確保しておきたいという場合に利用します。

4.シンジケートローンのメリット

シンジケートローンは、企業と金融機関にとってどの様なメリットがあるのでしょうか?

①・複数の金融機関から「融資」を受けられる!

企業としては、1つの金融機関に融資を依頼しても、満足のいく金額を借りられるとは限りません。それどころか、起業して間もない会社で実績がなかったり、財務状況があまり良くないと融資を断られてしまう可能性が高いのです。

しかしシンジケートローンにすれば、1つの金融機関の融資金額が少なくなるので、借入できる可能性も出てきます。

②・「事務作業」が楽になる!

シンジケートローンでは、「アレンジャー兼エージェント」が取りまとめ役となり、複数の金融機関と同じ条件で契約を結べます。

返済も「アレンジャー兼エージェント」に振りこめば、各金融機関に返済をしてくれるのです。個別に対応する必要がなく、事務作業が楽になります。

③・金利が一本化できる!

財務状況が良くない場合には、融資して貰えても金利を高く設定されることがあります。金利はそれぞれの金融機関により変わってくるのですが、シンジケートローンならば、金利が一本化できます。

④・貸し倒れリスクの軽減!

金融機関にとってもメリットはあります。1つの金融機関からの出資額が抑えられるので、貸し倒れのリスクが低くなります。

⑤・「余剰資金」が活用できる!

金融機関で余剰資金がある場合、少しでも運用した方が収益に繋がります。比較的低い融資額で金利分の収益が得られます。




5.シンジケートローンのデメリット

シンジケートローンにはデメリットもあります。

①・手数料が発生します!

シンジケートローンを受けるには、手数料が発生します。手数料は1種類ではなく、エージェント手数料、アレンジメント手数料、契約変更手数料など様々で、バカにならない金額です。

②・ビジネスプランの内容が重視される

複数の金融機関に賛同を得る為には、余程しっかりとした内容のビジネスプランが必要になります。

③・契約違反をすると罰則がある

契約期間中に違反行為を行うと、資金の返済を要求されたり、契約解除などの罰則が適用されることもあります。

6.まとめ

シンジケートローンは、企業にとって大口の融資を受けられる魅力的な商品です。

メリット・デメリットを正しく理解して賢く利用すれば、会社の経営を安定させることも可能です!

参照元:資金の調達 シンジケートローン : 三井住友銀行
参照元:コミットメントライン|みずほ銀行