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扶養家族は2種類?節税になる条件は?〜所得税と社会保険上の違い〜




扶養家族は2種類?節税になる条件は?〜所得税と社会保険上の違い〜

1.扶養家族の種類
2.所得税法上の扶養家族について
3.対象親族の所得制限を知っておこう
4.社会保険上の扶養家族とは?
5.まとめ

「扶養家族」という言葉、よく耳にする言葉ですね!

「扶養家族」は厳密に言うと、2種類に分かれることはご存知でしょうか?

ちょっと分かりづらい2種類なのですが、よく理解しておけば節税にも役立ちますし、アルバイト・パート時間を減らすこともなくなります。

遠方に住む親の生活費を負担していた場合、扶養に入れられる場合があるので、結果として節税となるパターンもあります。

覚えておきたい!「扶養家族」の種類と詳しい内容をご紹介します!

1.扶養家族の種類

そもそも、「扶養」とはどういう意味なのでしょうか?

扶養とは、自身の収入のみでは自活できない家族と生活を共にして、その生活費を負担するという考え方のことです。

働き手本人の稼ぎから他者を養うため、当然負担は大きくなります。そういった理由から、働く稼ぎ手の「税金」や、保険料の支払いについての「控除」「免除」という仕組みがあります。

現在、税法上の扶養家族という名のつく区分けには2種類の区分があります。2つの扶養家族というのは・・

①・所得税上の扶養家族
②・社会保険上の扶養家族

特に配偶者のどちらかがサラリーマンで、年末に人事から回ってきた書類にサインするだけ・・・。というご家庭ではピンと来ないかもしれませんね。

しかし、この二つには明確な違いがあります。例えばどちらかの条件では「控除」「免除」がNGであることがあっても、どちらかの条件ではOKであったりもするんです!




2.所得税法上の扶養家族について

所得税法上の扶養家族のメリットは?

所得税法上、扶養家族に入ることのメリットは、生活費を負担している人間の税金が控除されることです。

例えば年収600万円の稼ぎがある旦那さんがいたとして、奥さんが所得税上の扶養家族に入っていれば、38万円の税金控除が受けられ、旦那さんは562万円という金額に対して課税額が決定します。その結果、税金が安くなるんです。

これは扶養家族が増えたり、奥さんの収入によっても変わってきます。

控除の対象となる家族は?

まず、生活を共にする、あるいは住居は別としてもその生活費の大部分を負担する親族が対象です。

親族とは、配偶者、子供、6親等内の血族、3親等内の婚族のことを指します。奥さん、子ども、親、それから自分の兄弟やいとこ、甥や姪、奥さんの甥や姪など、かなり幅が広いことが分かります。

基本的には同居している必要がありますが、大学などで遠方に住んでいる子供を扶養するなどというケースもありますので、この場合は扶養親族として認められます。




3.対象親族の所得制限を知っておこう

親族を扶養に入れるためには、扶養に入れたい対象人物の所得が基準を満たしている必要があります。その区分けは、配偶者か、それ以外の親族かによって異なります。

今まではよく「103万円の壁」と言われてきましたが、ついに法改正されて金額が引き上げられました。配偶者の場合はどうなっているのでしょうか?

年間給与所得が150万円以下の場合

その他の親族の場合も、年間給与所得が150万円以下となっていて、実は同じなんです。それでは配偶者の場合は何が違うかというと、配偶者には「配偶者特別控除」というもう少し大きな枠が設けられています。

年収が141万円まで、その控除が受けられるようになっています。ただし、所得税上の扶養家族のメリットである控除額は減ってきます。年収別に条件を見てみましょう!

150万円未満→38万円
155万円未満→36万円
160万円未満→31万円
166万7999円未満→26万円
175万1999円未満→21万円
183万1999円未満→16万円
190万3999円未満→11万円
197万1999円未満→6万円
201万5999円未満→3万円

奥さんが141万円以上を稼いでしまうと、旦那さんの控除額は0円となります。

これがいわゆる、所得税上の扶養から外れたという状態です。配偶者以外の親族は150万円から扶養から外れてしまいます。

しかし控除されるとはいえ、奥さんが200万円近くまで稼いでしまうと控除額は微々たるものになってしまいます。パートなどで都合がつくようであれば、年間150万円までの給与所得に抑えることで節税につながります。

「扶養親族」は、12月31日現在の段階で16歳以上であるという必要があります。それ以下の子供は「年少扶養親族」と呼びます。「年少扶養親族」には所得税の扶養控除は適用されません。

しかし、「年少扶養親族」に該当する年齢である場合。収入があるパターンとしては、タレント活動をしているなどごく限られた対象のため、特に気にすることはないでしょう。




4.社会保険上の扶養家族とは?

社会保険上の扶養家族のメリット

社会保険上の扶養家族のメリットとは、いったいどのようなものなのでしょうか?

日本では、医療費を健康保険が7割負担してくれ、受診者は残り3割を支払うというシステムになっています。しかし当然、この恩恵は保険に入っていなければ受けられません。

この時、社会保険上旦那さんの扶養家族になっていれば、旦那さんが加入している社会保険に加入することができます。

しかも、保険料は旦那さん1人。旦那さんの給与額から決定されますので、扶養家族が増えても減っても、旦那さんの給与から天引きされる金額が増減することはありません。

しかし、ある一定の条件を満たすと、自身で社会保険に入る必要が出てくるため、その保険料は奥さんの給与から天引きとなります。その結果、前より働いているのに、社会保険料分で手取りが減ってしまうという事態にもなり得るのです。

社会保険上の「扶養親族」対象となる家族は?

所得税上の扶養親族と違い、社会保険上の扶養親族の範囲はグッと狭まります。また、「同居」なのか「別居」なのかでも判定が分かれます。

その対象は、3親等以内であることが大前提です。その上で、生計を共にしていれば同居の必要がない親族は以下になります。

・配偶者
・子
・孫
(これ以下は全て、加入者本人の血族である必要があります。)
・曾祖母
・祖父母
・父母
・兄弟

つまり、奥さん側のご両親や奥さん側のおじいちゃんおばあちゃんは同居の必要があります。自分の血族であっても、いとこやその配偶者、甥や姪、孫の配偶者なども別居では扶養の範囲と認められません。

なお、再婚家庭で、奥さんの連れ子やその孫がいた場合には、同居の場合のみ扶養が認められます。




対象親族の所得制限について

まず、社会保険の扶養家族には106万円の壁と130万円の壁があると言われます。社会保険上の扶養の所得制限に関しては、配偶者の特典などはないため、扶養親族すべてが下記の条件を満たしたものとなります。

最初に106万円の壁から解説します。

106万円の壁とは、「社会保険上扶養範囲内ではあるが自身の雇用先での社会保険に加入する必要のある収入」のことです。

しかし、いくつかの要件に当てはまらなければそのまま旦那さんの社会保険の扶養に入り続けることができます。

その要件とは、下記になります。

・正社員が501人以上の会社でパートをしている
・収入が月8万8000円以上
・雇用期間が1年以上の見込み
・所定労働時間が週20時間以上
・学生ではない

このため、小規模の会社で働いていたり、雇用期間が短期などであれば、106万円の壁のことは気にしなくても良いでしょう。

しかし、旦那さんの社会保険上の扶養から絶対的に外れてしまう金額が存在します。それが130万円の壁と呼ばれるものです。

130万円の壁の要件はシンプルです。

・「106万円の壁」の条件を満たさない
・月収が10万8334円以上(年収130万円以上の見込み)

この場合は旦那さんの社会保険以外の保険に、自身で加入する必要があります。

5.まとめ

「扶養家族」と一口で言っても、その内容を理解するのはなかなか難しいものです。

また、法改正もあり、今までの働き方が少し変わってくるという方も多いのではないでしょうか?

正しく理解して、健全なワークライフバランスを取りたいですね!

参照元:No.1800 パート収入はいくらまで税金がかからないか|国税庁|公式サイト
参照元:No.1180 扶養控除|国税庁|公式サイト
参照元:扶養の範囲|社会保険と所得税 – 日本政策金融公庫|公式サイト
参照元:所得税法 – 国税庁|公式サイト